一気に読了しました。

情熱大陸を見て、いまの日本にはこんなすごい人がいるんだとびっくりして,久しぶりに発売前に本を予約して買いました。

ここまで閉塞しきったこの国を劇的に変えるのは、政治によるトップダウンではもう無理で、こういう天才が各地に同時多発的に生まれ、なし崩し的に社会の仕組みやあり方を変えていき、人々はいつのまにかそれを当たり前に受け止めていくようになり、政治はそれを追認して制度の枠組みを後から整えるみたいな流れしかないと思います。

地方分権、地方愛への回帰なんかもこうした流れのなかで実現してほしいです。

ここまでIT技術や新しいテクノロジーが次々に誕生して,多くの仕事は,大都会の1つの会議室にみんなで集まっているやる必要なんてなくなっている・・・ということは言葉ではみんな言うわけですが,全然実現していません。

人口が減少しているいまの時代で日本がもう一度元気になるには,各地(それは別に場所が異なることを必ずしも意味しないのですが)で,各地の文化や風土,伝統,あるいは各チームのメンバーの雰囲気や技術などをバックグラウンドにした,小さな新しいことをする集団が同時多発的に出現し,お金が中央に流れるのではなく,そうした各チーム(地方自治体なんかもその1つですね)にどんどん流れるようになり,そのなかの1つ,2つが世界を席巻,リードしていくような姿になることが必要です。

話が飛ぶようですが,国の防災でも,何より現場第1,現場主義じゃないとうまくいきません。たとえば市町村が,都道府県や国の支援を受け身で待っているようでは何1つ適切な対応はできないし,市民も被災者も同じです。

上から助けてもらう,支援してもらうのを待つような姿勢では全然だめです。

制度設計としては,現場主義が現実に可能になるように現場に判断権とお金の権限をもっていく仕組みづくりが必要です。

地方分権がきちんと実現すれば自ずとそういう体制になります。

国がやることを最低限にするという仕組みの変化はもっともっと早く実現できていなければいけなかったと思います。

すでに数十年遅れてしまっています。

右も左も北も南もみんなが同じようなテレビや冷蔵庫を一生懸命作って,一生懸命営業売るという時代ではもうありません。

さて,この著者落合さんがさらにすごいのはそれを現実にするために教育者として人づくりをしていることです。

学生よ批評家になるな、手を動かせ、研究せよ、研究者のポジションに身を置くことで今やってることに新規性、社会的意義があるかが厳しく問われ、研究の作法が身につき、それは社会の中で新しいものを現実に生み出すために不可欠な能力になると。

日本の人口減少→移民の受け入れ、みたいな前時代的な発想はこの人には全くありませんでした。

どうか、自信をなくしすぎて不自然に右傾化、戦闘化しているいまの悲しい日本社会がこういう人を排除せず生かせますように。

静岡市清水区 弁護士 永野 海