被災ママに学ぶちいさな防災アイディア40(東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」/アベナオミ/(株)学研プラス/2017年2月

 

東日本大震災の直前に漫画家デビューをされたアベナオミさんが、東日本大震災で被災したときの体験談や、防災のアイデアを漫画やイラストでわかりやすく書かれたものです。

私は、特に冒頭の地震直後に自らが実際に行った行動を漫画にまとめた部分が大好きで、その部分をぜひ読んでいただきたくてご紹介しました。

当時、アベさんにはご主人と1才半のお子さんがいました。

地震の瞬間、アベさんは利府町(宮城県)の農道を車で走行中、お子さんは同じ利府町の保育園に、だんなさんは塩釜港のすぐ近くの会社にいました。

その後に起きたこと、行動したことの詳細はぜひ本書を買って読んでいただくとして、そこには、地震に慣れているはずの宮城県民のアベさんが、ことごとくあとから考えると危ない判断をしていたことが正直に語られています。

常に防災講演でもお話することですが、被災地にいる人は、停電等でテレビは見れません。スマホもつながりません。ということで、車のラジオや防災ラジオでもない限り、すっごい揺れた、というだけで、いま何が起きているのかわかりません。

だからこそ、何も考えずにうっかり、あるいはパニックになって、あぶない海沿いの方向に向かったりもするわけです。

東日本大震災を外からテレビでみている人や、あとから振り返って考える人は、どうしてそんなばかなことを、というわけですが、そんなに簡単な話でもありません。

だからこその事前防災、事前準備。

だからこその事前訓練。

だからこそのそれらに基づいた正しい情報収集と判断、

が必要になるのです。

アベさんのこの冒頭からはじまる漫画では、ごく普通の人が、巨大地震に遭遇したときに、何も準備していなければどういう行動をとるか、どういうことが起こるかが、とてもわかりやすく、(誤解がなきようお願いしたいですが)コミカルに書かれています。

ぜひこの漫画をご覧になって、準備を怠っていると、自分も同じようになるということを強く認識してもらいたいです。

アベさんご家族は幸いにも間違った判断をしても、命を落とされることはありませんでした。でも、そうではなかった人がその背後に数えきれないほどいるということを知ってもらいたいです。

後半はあえていえば、様々な防災本に書かれてあるようなことと基本的には同じです。イラストつきで、わかりやすくまとめられています。

個人的には、この冒頭の漫画だけを分離してたくさんの人に配布してもらいたいなあ、と思いました。

平成30年1月

静岡市清水区 弁護士 永野 海