
【被災者生活再建カード】 ボードゲーム形式で被災者支援制度の活用を学び、実際の支援もできるツール
【生活再建カードで用いる資料のDL】
◉重要な9つの支援制度をまとめた被災者支援カードのDLはこちらから →被災者支援カードのDL
◉被災者支援制度と罹災(りさい)証明についての解説動画はこちら(資料もDL可能)
YouTube動画 →https://www.youtube.com/watch?v=TsOThc-cVdc&t=297s

【被災者生活再建カードとは】
防災の世界では、避難所運営ゲーム(HUG)、災害図上訓練(DIG)など、地図やカードを使って具体的な防災・減災対策(対応)を学ぶ優れたツールがたくさんあります。
しかし、
被災後に生活再建をする上で活用できる支援制度を具体的に考えるようなツール
がないように感じられましたので、作ってみました。
現在では、内閣官房国土強靭化推進室主催のワークショップでも、この被災者生活再建カードゲームを採用していただいたほか、令和元年11月12日の参議院法務委員会では、被災者生活再建カードの現物が各委員に配布された上で、充実した被災者支援や、支援制度の学習に有用なツールとして法務大臣のご答弁もいただきました。
この被災者生活再建カードは、
災害前の支援制度の知識の備えとして活用していただくだけでなく、実際の被災された方への支援活動でも、その方に関係のあるカードを切り取り、用紙に貼り付けて、コメントなどもつけて持ち帰っていただく形で
活用しています。
こうした活用は、支援者も頭の整理をしながら、今後の生活再建の道筋の助言ができ、被災された方は、家で貼り付けてもらったカードをじっくり見直しながら助言内容を思い出したり、家族で話し合ったり、今後の生活再建の流れを大まかにイメージすることにもつながります。
【ワークショップの進め方】


参加者は4~6人でテーブルを囲みチームになります。その上で、テーブルの上に、カード状に切った「被災者生活再建カード」「ライフスタイル・住まいカード」(いずれもA4サイズ)を並べます。

同時に、選んだカードを並べるための台紙(A3サイズ)をテーブルに置きます。

ワークショップでは、まずはじめに、ワークショップ進行者が、それぞれの支援制度の内容や、被災後の生活再建の流れなどについて、概要を解説します。
被災地の実情や支援制度を熟知した進行者の存在が重要になります。

その上で、ワークショップ開催地の実情にあった事例を提示します。
ワークショップ参加者は、手元の生活再建カードを上手に活用しながら、事例の主人公の生活再建を実現していくことになります。
その上では、カードを先に選ぶのではなく、ライフスタイルカードをみながら、テーブルの仲間とともに、主人公にとって、どのような生活再建が望ましいのかについて、主人公やその家族の思いに寄り添った検討をします。

どんな価値を大切にするかによって、今のままの土地で暮らすのか、この際引っ越すのか、家を建てるのか、修理で済ますのか、中古住宅でも購入するのか、災害公営住宅や賃貸アパートで暮らすのか。はたまた老人ホームの入居まで考えるかなど、様々な生活再建の形がみえてきます。

主人公にとって望ましい生活再建の形が決まったら、その上で使えるカードを余すところなく選択し、台紙の上においていきます。
その際、2枚選んだライフスタイルカードは切って、台紙の右上に置き、最終的な住まいのカードも1枚選んで切って、台紙の左下に置きます。
上図のように、そのカードによって得られる金額まで検討できれば、よりリアルな生活再建の疑似体験となります。
とはいえ、なかなか罹災証明書ごとに使える支援制度(カード)は異なりますので、カードを選んで貼るのが難しい、と思われるのが通常だと思います。そこで、罹災証明の判定と、住宅再建の選択のパターンごとに最大限貼れるカードを並べたパターン集(ひな型)を作りました。これをみながら議論すれば簡単にカードを選んで、貼っていけると思います。ご活用ください。
※ パターン集はこのページの一番上からダウンロード可能です
※ 参考までに一部を以下に貼り付けます


【ワークショップの様子】









被災者生活再建カードに関するお問い合わせは弁護士永野海(mail@naganokai.com)まで
【作成にご協力いただいた方】
アウトドア防災家のあんどうりすさんには、カードのフォントや色彩のユニバーサルデザイン化について具体的なアドバイスをいただきました。
また、静岡市社会福祉協議会の川津貴臣さんには、会場での活発な議論につながる白紙カードなど貴重なアイデアをいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。