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【被災者生活再建カード】 ボードゲーム形式で被災者支援制度の活用を学べるツール

【生活再建カードで用いる資料のDL】

被災者生活再建カード(PDFファイル/A4カラー印刷) 
カードを置く台紙(PDFファイル/A3カラー印刷)
台紙へのカードの配置例(PDFファイル)

 

【被災者生活再建カードとは】

防災の世界では、避難所運営ゲーム(HUG)、災害図上訓練(DIG)など、地図やカードを使って具体的な防災・減災対策(対応)を学ぶ優れたツールがたくさんあります。

しかし、

被災後に生活再建をする上で活用できる支援制度を具体的に考えるようなツール

がないように感じられましたので、作ってみました。

現在では、内閣官房国土強靭化推進室主催のワークショップでも、この被災者生活再建カードが採用されているほか、令和元年11月12日の参議院法務委員会では、被災者生活再建カードの現物が配布された上で、充実した被災者支援や、支援制度の学習に有用なツールとしてご紹介いただきました。

 


(令和元年5月19日静岡新聞朝刊)


(被災者生活再建カード特集 令和元年7月14日静岡新聞朝刊)


(内閣官房国土強靭化推進室主催で被災者生活再建カード実施)

 

参加者は、ハサミなどでカード状に切って手元におき、具体的な被災者(家族)を想定して、その人(家族)の生活再建に、どのカードが使えるか考えます

一人でも遊べますが、3~6人程度でテーブルを囲み、議論をしながら考えていくのがより効果的です。

白紙のカードには、最終的な住居や、どんな内容でもよいので、その人の生活再建に使えるのではないかとゲーム参加者が考えたものを書きます。

それぞれの地域ならではの資源(人、モノ、場所、制度など)などを書くのもよいと思います。

ワークショップでは、はじめにそれぞれの支援制度の内容について、主催者が概要を解説します。

次に、生活再建を行う主人公(当事者)となる

被災者の属性(家族構成、収入、貯蓄額、住宅などのローンの額、自宅が持ち家か借家か)

と、

被災の程度(家族の人的被害、自宅の被災の程度(全壊?半壊?))

が発表されます。たとえば次のような形です。

ちなみにこの事例は河北新報で報じられていた仙台市の実際の被災者を元にしています。記事の主題は、

自宅が「半壊」でも解体すれば「全壊」と扱われ被災者生活再建支援金がもらえることを知らなかったことにより、今でも修理しきれなかった自宅で暮らす被災者

を取り上げたものです。

ワークショップ参加者は、この上の台紙(A3サイズ)の上に、使えると思ったカードを並べていきます。

その際には、使えるカードを選ぶだけでなく、そのカードによって具体的にいくらもらえる(借りられる)のか、その時期にはどこで生活をするのか(避難所?仮設住宅?修理した自宅?)まで考えながらカードを選んでいくことが重要です。

たとえば上記のような形で、支援制度のカードを選んで置きながら、それによってお金がいくら得られるのかを考え、また最終的にどの程度のお金をかけて、どういった住居で生活するのかを考えるわけです。

 

ゲームを効果的に行うためには、支援制度や被災地の状況などについて正しい知見がある方による適切なコーディネートが大切になります。

これは1つの検討例です。

人が被災後にどのように生活を再建していくか、その選択肢は無限です。答えを求めるのではなく、自分ならどういう選択をするのかを考えましょう。

 

また、同時に、現行の支援制度は住宅再建支援に偏っている面があります。

しかし、人は住居やお金だけあれば幸せに生きているわけではありません。

平穏で幸せを感じることができる被災後の生活には、そのほかにどのような要素が大事になっていくのかまで話し合うことができれば、さらに素晴らしいワークショップになると思います。

被災者生活再建カードに関するお問い合わせは永野(mail@naganokai.com)まで

ワークショップの様子

作成にご協力いただいた方

アウトドア防災家のあんどうりすさんには、カードのフォントや色彩のユニバーサルデザイン化について具体的なアドバイスをいただきました。

また、静岡市社会福祉協議会の川津貴臣さんには、会場での活発な議論につながる白紙カードなど貴重なアイデアをいただきました。

この場を借りてお礼申し上げます。

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