(写真は静岡県消防学校からお借りしました。以下、同じ)

 

今日は、静岡県消防学校で津波防災の授業を2時限受け持たせていただきました。

ここ数年、この時期、毎年1回か2回ずつ担当させていただいていますが、ここでもやはり、年々、津波裁判の判決そのもののご紹介はどんどん減らしています。

 

弁護士として判決の要旨を紹介することは自然だし、ある意味、楽でもあるのですが、大事なのは、

・まず遠い世界の話、テレビ画面の向こうの被害の話ではなく、自分に本当に起こりうることだと身体全体で感じていただくこと

その上で、

・命を守るための防災のポイントを正しく把握して、それを”単なる知識”ではなく、身体全体で感じた”生きた知識”として災害が来る前に「実践」してもらうこと

です。

そのために、どういう講義の内容がよいか、毎年、否、毎週のように精査しています。

 

今回、授業後に消防学校からご送付いただいた受講者の皆さんの感想文を70名分全て読ませていただきました。

拝見すると、

・ハザードマップとどう向き合うか(参考にはなるが鵜呑みにしてはいけない)

・率先避難がいかに難しく、いかに重要か(周りの人の命をも守ることになる)

印象に残った話として、この2つをセットで書いていただいていた方が非常に多かったです。

授業を担当したものとしてとてもうれしく思いました。

「最初2時間もあるのかと思ったが、聞いてみるとあっという間だった」、「もっと長く聞きたかった」というコメントを書いていただいていた方も結構あり、大いに励まされもしました。

 

私としては、消防団の皆様にお話するにあたり、2つの心に残る話を思い返しています

1つは、宮古市田老で特に学んだ、殉職された消防団員の方は、水門を締めに行ったから犠牲になったのではない、逃げない人を逃げるよう説得するのに時間がかかり津波に飲まれてしまったという話

もう1つは、陸前高田市長が講演でお話になっていた、公務員とて家族がある人間、どこまでのことをすればあとは自分の命を守るために逃げていいのか、事前に地域でしっかり議論しておかなければならないという話

今日は、この問題についても少しお話をしました。

消防団員の皆様は、日頃の訓練を活かしたくさんの人々の命を守る救出、救命活動はもちろん重要。

でも、消防団員の方自身が自然災害で犠牲になっては絶対にいけない

消防団だからこそしっかりと事前に議論しておかなければならない問題です。

 

平成30年11月

弁護士 永野 海