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湯谷口の中央構造線・衝上断層(愛媛県西条市)

愛媛県の中央構造線についてはまずこちらをご覧ください。

砥部町の衝上断層

この砥部町の衝上断層は、東側にずっと続いています。

中央構造線の南側に外帯の三波川変成帯の結晶片岩(図のピンク)がみられ、中央構造線の北側には、愛媛から和歌山まで300km続く和泉層群の砂岩や礫岩の地層(青緑)がみられます。

湯谷口の衝上断層は、この「つきあげだんそうばし」が目印になります。


この橋のすぐ上流です

中山川の右岸側の衝上断層がみえました。
(当然左岸側にも露頭があります)


写真右が三波川変成帯の結晶片岩(黒雲母片岩)、写真左の灰色が和泉層群の砂岩。


左の地層が中央構造線が動いたことで右の地層の上に低角度で乗り上げています。

断層が生じたことですき間ができ、そのすき間を上ってきたのが白くみえている安山岩の岩脈(マグマが冷えて固まったもの)です。

下流側です。 

和泉層群の地層。

先ほどの衝上断層より1つ上流の橋から下流側を撮影。
三波川変成帯の結晶片岩です。

結晶片岩を撮影 黒色片岩にみえますね。


黒色片岩は、もともと泥岩だった岩石が、海のプレートの海溝部での潜り込みの際に、強烈な応力と熱とを受け、違う岩石に変身(変成)したものです。

中山川の上流側 美しい結晶片岩の岩石が並んでいます。

この硬い岩石を石鎚山系の水の力が削りに削って中山川渓谷に。

美しい薄緑色の緑色片岩。


もともとは黒い玄武岩ですが圧力と熱で変成してこのような色合いになります。

緑色片岩と黒色片岩が交ざっています。

結晶片岩を削る深い谷筋。


かなりの傾斜のある河川であることがうかがえます。

山を下り東温市にでると目の前に断崖の露頭が。

山椒ヶ崖(さんしょうがだけ)という和泉層群の砂岩の地層です。


最後まで和泉層群とのつながりを感じられました。

砥部の衝上断層だけをみるのではなく、この東側につながる湯谷口の衝上断層をあわせてみることで、大きな視点で地形や中央構造線の形を感じることができます。

砥部町からこの西条市までは車で1時間程度ですので、車ならぜひあわせてご覧になってみてください。

令和2年1月

弁護士永野 海

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