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『みんなの津波避難22のルール -3つのSで生き残れ!-』(合同出版)

東日本大震災で多くの津波による犠牲が発生してしまったことから、二度と同じ被害を生まないように、子どもでも楽しく読める津波避難のルールをまとめた本をだしました。

◉Amazonの購入サイト →https://www.amazon.co.jp/dp/4772614559

東日本大震災の津波被災事例を分析すると、津波から命を守り抜くには、3つのSが必要だということに気づきます。

最初のSは、津波から逃げるスイッチをきちんと入れて、実際に足を動かして逃げるためのSWITCH(スイッチ)のSです。

児童74名、教員10名の犠牲をだした石巻市立大川小学校の事例が象徴的ですが、大地震のあとも、逃げるスイッチ(Switch)が入らず校庭にとどまり続けてしまいました。

実は油断せず逃げる、念の為逃げるという判断と行動はとても難しく、大川小学校以外でも多くの場所で最後まで逃げなかったために津波の犠牲が生じてしまいました。

どうすれば津波避難のスイッチを入れられるでしょうか(本書で解説しています)。

次のSは、逃げるスイッチを入れたあと、安全なルートで安全な場所に逃げるというSAFE(セーフ)のSです。

女川町の七十七銀行女川支店では、避難は開始しましたが、すぐ近くに安全な高台があったにもかかわらず、その場所には避難せず、銀行の屋上に避難してしまいました。

結果、銀行の屋上を超える大津波に巻き込まれ犠牲が生じました。

最後は、安全な場所に逃げた(とどまった)あとも、最後まで命を守り抜く行動を徹底するSAVE(セーブ)のSです。

石巻市にある私立日和(ひより)幼稚園では、幼稚園が安全な高台にあったにもかかわらず、地震後、児童を保護者に引渡すために危険な低地にバスを出発させてしまいました。

これによりバスに乗せられた5名の園児と1名の添乗員が犠牲になりました。

この3つのSは、地震のあと、時間の流れに沿って順番に必要になりますが、どれ1つ欠けても命は守れません。3つそろえないといけないのです。

この3つのSごとに、津波避難のルールを22個にまとめました。

ルールは、東日本大震災の教訓と、科学的根拠に基づくものです。本書の全ての内容について、津波工学、津波防災の専門家である常葉大学教授阿部郁男先生の監修を受けていますので、ご安心ください。

また、本書では、巻末には、北海道から沖縄までのぜひ訪れていただきたい災害痕跡地をガイドブック形式でご紹介しています。

ぜひ日本全国の災害痕跡地を訪れ、自然の力を実感し、いかに自然と共に生きながら定期的にやってくる自然災害から命を守り抜くか、考え行動するきっかけにしてください。

令和3年7月 弁護士・防災士 永野 海

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