静岡は災害痕跡,ジオサイトとしてとても懐の深い場所です。

まだまだ多くの県民の皆様が御存じない知られざる素晴らしい景観があります。

場所は裾野市の景ヶ島渓谷。

屏風岩の看板があります。

 

気持ちのよい林の中を沢に下りて行きます。

 

気持ちの良い森林浴ができる空間です。

 

河原につきました。わずか数分。

佐野川です。

 

火山活動による巨石がたくさん。

 

河原の石ころも溶岩溶岩してます。

 

これが目的です。

なんという美しい柱状節理。

 

静岡の「玄武洞」とでも呼びたくなる見事さです。

こんな美しい景観がほとんど知られていない不思議。

 

柱状節理(ちゅうじょうせつり)は何度もご紹介してきましたが,玄武岩質の溶岩が地上で冷えて収縮してできる節理です。

 

ここの溶岩は,通説としては,1万年前の富士山噴火の際に流れてきた三島溶岩流です。

 

そのときの溶岩は玄武岩質のさらさらとした溶岩。

現在の三島駅や沼津市まで30kmほども流れました。

(災害痕跡として防災上非常に重要な歴史的事実です)

 

その溶岩が裾野市のここまで流れてきて,ここで冷えて固まって収縮してこういう姿になった,そのときの様子を想像してみてください。

 

玄武岩質の溶岩の柱状節理はきれいな六角柱になることが多いです。

 

物理的に,六角柱がもっとも安定した形状なので,自然の摂理としてそうした形になるようです。

 

パノラマ写真で。

 

三島溶岩流は,富士山から流れ,愛鷹火山と箱根火山の間の谷を流れました。

 

この柱状節理は高さが10m以上ある本当に立派なものです。

 

こうした美しい景観の裏には・・・噴火痕跡として学ぶべき知識が隠されています。

 

富士山噴火のハザードマップの1つです。

どこまで溶岩流が流れるかが示されています。

過去には少なくとも三島駅まで流れてきている事実があるのに,三島や沼津はハザードマップのエリアから外されています。

でも三島や沼津の皆さんは絶対にこのマップを軽信しないでください。

この図のとおりにきれいに溶岩流がとまるなどという安易な想定はしないでください。

 

美しい噴火痕跡は,地層の津波痕跡と同じです。

かつてあったことはまた起こる可能性があるということです。

 

高千穂峡だってその他の景勝地だって同じです。

そこに火砕流や溶岩流による景観があることの意味を科学的に考えてみてくださいね。

 

河原の溶岩は自然のアートですね。

 

裾野市景ヶ島渓谷の屏風岩の柱状節理。

気軽に訪れることができる場所です。

ぜひ景観を楽しみ,また富士山の噴火は過去の出来事ではなく,明日同じことが起こるかもしれないことだということを知ってください。

平成30年5月

静岡市清水区 弁護士 永野 海