1つの石ころから考える
石ころ1つから色々と考えてみるのも楽しいです。
先週焼津の海岸で拾った石です。ある種グロテスクな。何だろこの石は?と考えてみました。特にこの白。
私がいつもきれいだなあと思う,安山岩のなかの斜長石みたいなのとはどうも違います。なにか生々しい。削るとぼろぼろ粉になる。
たとえば,この写真の中央や,中央の左上の石の白い斑点なんかとはリアルさ(石の中にある模様なのか,石の外にとってつけたようにある模様なのか)がずいぶん違う。
五感と石の本を色々調べた知識を総合した結果,この白はやっぱりカルシウム成分っぽいなと。
用語でいうと方解石?(炭酸カルシウム。石灰岩の主成分)
しかもこれはマグマの中でできた結晶(斑晶)ではなくて,玄武岩マグマのなかの水分やガスなどが噴出するときに外に抜けてできた無数の穴(多孔質組織)に,カルシウム成分が『後から』充填されたものではないかと。
そういうのは海底火山が噴火したときに噴出した溶岩(玄武岩)が『水中において』起こす現象のようです。
(アルカリ玄武岩(海底火山)でできた焼津の虚空蔵山)
そう考えると,拾った海岸はたしかに焼津のアルカリ玄武岩の山(海底火山)の横です。場所的にも整合する。
答えはどうかわかりませんが,1つの石からいろんなことが考えられるものだなあと。その土地がどんな土地かの推測にもつながります。
ふと,先日根尾谷で拝見した菊花石なんかもこういう理屈でできているのではないかと思いました。
焼津にある玄武岩の枕状溶岩をみていると,たまに放射状に割れ目が広がっているものがあります。
(枕状溶岩における放射状の摂理)
そうした隙間にこういうカルシウム成分が充填されると菊の花みたいになるんじゃないかと。
菊花石には諸説あるようですがどうなんでしょうか。
でも,それだと石を割ったときに内部まで菊の花になっているのが説明できないのかな。