島田市には,神尾の横臥褶曲の露頭以外にもう1つ横臥褶曲をよく観察できる場所があります。

 

県指定文化財の天然記念物にも指定されている竜門の滝です。

神尾横臥褶曲からも近く,車であればセットで巡るべきスポットです。

 

ただし,写真からもわかるように,車が1台なんとか止められる道路脇のスペースから滝までの距離は近いものの,沢沿いの細い道を歩きますので,小さい子どもなどには少し危険性があるかも知れません。注意してください。

 

途中,難所には,ロープが設置されています。

島田市は,次のように説明しています。

 

約7千万年から1億3千万年前の海底に、乱泥流によって堆積した厚い砂泥層(タービダイト)が、その後起こった大規模な褶曲運動によって著しく褶曲し、赤石山脈が形成されました。竜門の滝の背面に露出しているのは、横に曲がった地層です。普通は表面に出ても容易に崩れてしまいますが、ここでは珍しく鮮明に見ることができます。

(その後起こった大規模な褶曲運動とは、100万年前の伊豆半島の衝突によるものというのがいまは有力か?)

 

1億年前前後ですから,まだ日本列島がアジア大陸の東端にくっついていた時代に作られた地層です。

タービダイトというとなんだか難しそうですが,実は,水槽などでも比較的簡単に実験ができます。粒の大きな砂と,粒の細かい砂をぐちゃぐちゃにかき混ぜて,水の底にゆっくりと沈めていくと,砂の層が下に,泥の層が上にきます。

 

海底の谷などを砂や泥が滑り落ちたり,地震などでかき混ぜられたりすると,こうした現象が海の底で生じます。

そのまま砂や泥が固まると,砂岩と泥岩の互層というきれいなミルフィーユ状の地層ができるわけです。

 

地層自体は海底でできるわけですが,その堆積物(堆積層)がプレートの潜り込み現象の際に,地球のなかに潜り込めず,プレートからはがされて大陸の端にくっついていくことがあります。こうしてくっついた塊を付加体といいます。

日本はこうした付加体が集まってできている国土です。

 

こうして,海の底深くでできた砂と泥の地層が,アジア大陸の端っこに付加体としてくっついたものが,ここで見られる竜門の滝ということになります。

この部分が大陸にくっついたあと,日本列島はアジア大陸から離れ,現在の島田市の位置まで移動してきたということです。

さらにその後、最近になって、伊豆半島の衝突などなんらかの要因で横からの応力を受け、この地層がぐにゃっと褶曲したということになります。

 

滝1つでも,1億年の時の流れを感じられる場所なんですね。

平成29年12月訪問

静岡市清水区 永野 海