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今日は朝から、「第12回 静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練」のワーキンググループの会議に出席させていただきました。

この訓練、毎年、静岡市内で2日間をかけて行われているのですが、全国から、自治体、社協、ボランティア協会の皆さん、NPO、災害ボランティアの皆さんなど総勢数百名が集結し、発災時のボランティアによる支援を想定した訓練をしています。

静岡に全国から集まってくるボランティアを、各市町にどう効果的に振り分けるのか。当該市町で困っていることはなにか、それについて手助けができるボランティアはいるか、マッチングの問題などについて、県の職員らも交えて本格的な訓練がなされているんです。

静岡では、中央の組織と各市町との間に、支援チームと呼ばれる中間組織が入り、被災現場と中央とを上手につないでいこうという計画になっています。支援チームは具体的には社協の職員さんなどがなる予定になっていて、支援チームのメンバー(県全体で最大50名程度?)は、各市町を巡回し、各市町の困りごとやボランティアの支援の手が行き届いているかなど、状況を正確に把握し、それを県など上部団体にあげていく、という仕組みです。

静岡ではまだ南海トラフや東海地震がきていませんので、実際にこの仕組みがどれだけ機能するかは未知数と言わざるを得ませんが、毎年毎年、実際にこれだけの人数と現実の窓口となる自治体等の職員さんを含めて訓練を実施し、反省点を把握し、改善を図っているというのはすごいことです。

弁護士が実際に被災地支援を行う際にも、この支援チームのような、中間支援組織のようなものがあると大変効果的な支援ができます。

弁護士が弁護士会館に鎮座しているだけでは支援は何もできません。

いまどの地域にどのような問題が起こっているのか(仮設住宅入居の問題?生活再生支援金の不支給の問題?公費解体の問題?・・・etc)、弁護士によるどのような支援が必要なのか、こういう状況を提供してくれる人、また市町の担当者とつないでくれる人、こういう人とのつながりがないと、何もできないまま、何もしないまま時間だけが経っていく、ということになってしまうでしょう。

昨年第11回のこの図上訓練では、弁護士会の被災者支援活動(特に弁護士会ニュースの配布のための平時の自治体連携)について報告する時間をいただき、報告してきました。

これは、たまたま私が日本災害復興学会で報告していたのを、関西学院大学の松田曜子先生が聴講されており、お声がけをいただいたのが縁でした。

今年は、訓練の作りこみの段階から関与させていただくことになったものです。

 

私はこの図上訓練に参加させていただく上で、目標を2つ設定しています。

1つは、大災害発生時に数少ない希望の光となるはずの弁護士会ニュース(被災者支援情報集)を1日でも早く、少しでもたくさんの地域に配布できるよう、いつか将来、この図上訓練のなかに、弁護士会ニュースの配布訓練を入れ込んでもらえたらな、という目標です。

私は南海トラフがきたときの弁護士会ニュースの配布、周知について、実は現時点では悲観的な想像をしています。現実の混乱の中で、各避難所に本当に弁護士会ニュースが届けられるだろうかと問えば、まだそこまでの平時の準備体制にはなっていないと思います。平時に誰もしらない資料について、有事に思い出してもらえることはありえず、また有事になってから効果的な周知を行える体制にもなっていません。

だから、こうした数百名規模の訓練の中で、少しでも弁護士会ニュースの存在を知ってもらいたい、さらには、欲張りすぎですが、弁護士会ニュースをどうしたら各市町に効果的に配布できるか、そのリアルな訓練をしてもらいたい、そう思うのです。

 

もう1つは、ボランティア支援にかかわる人たちと一人でも多く顔がみえる関係を作ることです。

災害が起きたときに、私のことを思い出してもらってとりあえず電話をかけてもらえる、逆に、私も、その町にはあのひとがいたな、社協のあの職員さんに電話をしてみよう、そう思えるネットワーク作りがとても大切だと感じています。

平時に築いた、人と人とのつながりさえあれば、災害時、なんとかなるかも知れません。

この図上訓練は、災害の最前線で熱い思いをもって仕事、ボランティアをしている人と触れ合えるこれ以上ない機会だと思います。

静岡市清水区 中央法律事務所

弁護士 永野 海