火山と海流が作った御浜岬(沼津市戸田)
沼津市戸田(へだ)港にある御浜岬(みはまみさき)の先端からは、天気がよいと、きれいな富士山がみえます。
富士山の右側にみえるのは、80万年前から40万年前にかけてこの地で活発な火山活動をしていた井田火山の一部です。
長年の侵食を受けてなだらかな山体になっています。
戸田港の南側斜面からは、美しい弧を描く御浜岬と富士山が見渡せます。
この戸田漁港では、世界最大の節足動物、タカアシガニを堪能することができます。深海に生息するため、ここで水揚げされるのは駿河トラフのおかげです。
少しお高いですが、伊豆半島の西側にお越しの際はぜひご賞味ください。
この御浜岬は、地学的には、砂嘴(さし)です。
さきほどの井田火山より少し兄貴分の達磨火山(100万年前から50万年前にこの地で活動)から侵食され海まで運ばれた岩石などが、伊豆半島の西側を北に向かって強く流れる沿岸流の影響で、どんどん北側に運ばれていき、鳥の嘴のように堆積したものです。
この北への堆積が続き、陸までつながってしまうと、砂州(さす)と呼び名が変わります。
令和元年12月
弁護士・防災士 永野 海