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静岡新聞の労働コラム 最新号が掲載されました フレックスタイムと残業について

 

静岡新聞「転職の缶詰」労働コラム

http://www3.at-s.com/ten/html/zubari/vol17.html

Q. 先日、上司から「うちの会社はフレックスタイム制だから残業代はでないよ」と言われました。私はいまの会社で毎日8時間以上働いているのに残業代がでないのはおかしいのではないでしょうか。

A.
ご質問の件ですが、結論から言えば、あなたの対象期間の合計労働時間が法定の労働時間を超えていれば残業代はちゃんとでますので安心して下さい。
フレックスタイム制とは、従業員に始業と終業時刻の決定を委ねて、1か月以内の一定期間(これを清算期間といいます)の中でいつ労働するかを決めることを許す制度です。
まず、前提として、本当にあなたの会社がフレックスタイム制を正式に導入しているのか確認する必要があります。日本で実際にフレックスタイム制を導入している企業は数パーセント程度しかありません。この制度を導入する場合、会社は、就業規則や労使協定で対象となる労働者の範囲や清算期間、総労働時間などを定める必要があります。
仮にフレックスタイム制が正式に導入されているとしても、先ほどの清算期間(対象期間)における決められた法定労働時間を超えて労働した場合には、残業代が発生します。法定労働時間は清算期間の長さなどにより異なりますが、たとえば区切りになる清算期間を30日と定めた場合には、原則として法定労働時間は171.4時間になります。
そのため、30日の間に171.4時間を超えて労働した場合には、会社に残業代を請求できることになるのです。逆に、1日の労働時間が8時間を超えたとしても、30日の合計で171.4時間を超えていなければ残業代は発生しません。
ちなみに、フレックスタイム制でも深夜に労働すれば深夜手当は別途発生しますので、この点も知っておいてください。

静岡市清水区 中央法律事務所

弁護士 永野 海

 

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