鳳来寺山自然科学博物館(新城市) ぶらり防災の旅

新城市にある鳳来寺山自然科学博物館です。
私はもっぱら石ころに目がいってしまいますが(ほかにも様々な自然科学の展示がありました),石ころ愛に溢れたすばらしい博物館です。

石ころ博士,学芸員の西村さん。
新城市で拾ったたくさんの石ころを丁寧に鑑定してくださいました^^
石ころ愛にあふれた博物館。

博物館1階のオープンスペースには巨大な中央構造線の露頭のレプリカが。

天然の岩石と人工物(コンクリートなど)の見分けクイズ。
全問正解すると(何度でもトライできます),素敵なプレゼントがもらえます^^

新城市産(ごく一部例外あり)の岩石の標本が格安で販売されています。
思わず購入。

個別の岩石も,1つ50円で販売。
野菜のマーケットみたいです。
以下,気になった石ころの写真を紹介していきますね。

美しいピンク色のバラ輝石。
輝石だけど黒くないんですね。
小さなバラ輝石は購入できるようになっていました。

自然の造形美。
樹木にしかみえません。

岐阜の日本最古の石博物館にも鎮座していた地球最古の岩石。
アカスタ片麻岩です。
およそ40億年前の石!

鳳来寺山を代表する松脂岩(しょうしがん)。
流紋岩が水和するとこれになるそうです。
白い流紋岩が一気に黒曜石のような黒に変身する不思議。

球状花崗岩。
不思議な模様ですね。

これも不思議な模様。
亀のこ石。

周辺の地質が説明されています。

こんな感じで数えきれないほどの展示がなされています。
すごい!

生物の生きた証,痕跡がみられる化石。
生痕化石といいます。

巻貝のふん・・・・。
わからなさすぎてシュールです。

凝灰岩質流紋岩の柱状節理。
柱状節理はマグマが地上で冷やされたときに収縮してできます。
比較的きれいな六角形になっていますね(六角形は形状として安定しているためこの形になることが多いです)。

黒色片岩。
プレートの潜り込み帯の高圧で変成される三波川変成帯の岩石。
もとは泥岩。
変成されてキャベツの模様みたいになってます。

緑色片岩。
もっと緑色のものもありますがこれはかなり黒っぽい。
変身前の岩石は玄武岩などの火山岩。
やっぱりちょっとキャベツ。

斑レイ岩。
地中深くでマグマが固まってできた深成岩。
白い石英のもとになる二酸化ケイ素の含有率が小さいので玄武岩のように黒っぽい。

玄武岩。
マグマが地表で冷えてできた火山岩。
黒い!
海底火山から噴出します。
好きな岩石ランキングの5位ぐらいに入ります。

中央構造線の北側にある領家片麻岩。
地表から比較的近いところのマグマだまりなどにあるマグマの高熱で変成(変身)した岩石です。
元の岩石は花崗岩など。

きれいなのでよく拾うトーナル岩。
深成岩のなかの閃緑岩と花崗岩の間ぐらいの岩石。
石英閃緑岩と同じ意味で使われることも。

凝灰角礫岩。
火山噴火を示す岩石です。
噴火ででてきた火山岩塊の上に火山灰が積もってできた岩石。

溶結凝灰岩。
火砕流堆積物です。
火砕流はあまりに熱いので堆積するだけでなく熱で溶けてこうした岩石になります。
宮崎の高千穂峡など。

流紋岩。
きれいですね。
鳳来寺山を形作る岩石です。
火山岩でも二酸化ケイ素(シリカ)の含有率が高いので白っぽくなります。

玄武岩と流紋岩の間の岩石。
黒と白の間なので,わかりやすいのは灰色のものですが,様々な色があるので色だけで見分けるのは至難の業です。

この図はわかりやすいですね。
火山や中央構造線の周辺,どんな場所でどんな岩石ができるのか。
新城市はこうした岩石のレパートリーの宝庫です。

珍しい珪化木。
もともとは樹木です。
これが堆積層のなかで二酸化ケイ素(シリカ)に変身して岩石のように固くなったものです。

我が家の石ころ展示のよう。


石ころ。

Thats 中央構造線。

中央構造線の南側,三波川変成帯の結晶片岩シリーズ。

かんらん岩!

普段出会うことのないマントルの岩石!

石灰岩が結晶化した大理石。

マイロナイト。
断層が動いたときに,地下深いところにある岩石は高温のため断層が動いても破砕されずうにゅっと変成されます。

これも美しい片麻岩。
もとは花崗岩でしょうか。

中央構造線の断面図。

(博物館からみえる鳳来寺山の鏡岩)
鳳来寺山に来られたときはぜひ立ち寄っていただきたい素晴らしい博物館でした。
思わず友の会に入会してしまいました^^
平成30年4月
静岡市清水区 弁護士 永野 海



