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浮島ヶ原自然公園(富士市)
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静岡県中部にある浮島ヶ原自然公園です。
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富士川の河口の東側には、湿地帯が広がっています。
地学的にはいわゆるラグーンというものですが、この湿地帯を観察できる公園が浮島ヶ原自然公園です。
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写真奥に富士山と愛鷹火山(右側)がみえます。
これら湿地帯の直下ではフィリピン海プレートが沈み込んでいます。
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この湿地帯は、沈降帯にあたります。
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富士川断層(帯)が南北に走る富士川河口に対して、西側のAの場所は、南海トラフ地震のたびに隆起し、他方、浮島ヶ原自然公園を含む東側のBの場所は、沈降するとされます。
実際、浮島ヶ原の一帯は、富士川河口に向かって傾動沈降しています。
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浮島ヶ原では、研究によれば、ボーリング調査の結果、過去6000年で20回ほど、泥炭層から泥層への急激な地層変化がみられ、そのたびに急激な土地の沈降が起きたことが示唆されています。
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小さなモクズガニが無数にみられました。
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さきほどの研究では、この浮島ヶ原を含む一帯の急激な沈降は、南海トラフ地震と関係している可能性が高いのではないか、と考察されています。
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いずれにしても、このあたり一帯が、フィリピン海プレートの沈み込みの影響を大きく受ける地域であることは疑いありません。
静岡で地球の大きなエネルギー活動の一端を感じられる貴重な場所といえると思います。
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静岡の尾瀬とまではいいませんが、貴重な生物が多数みられる場所でもあり、植生やさまざま生き物を観察しながら、地下深くに鎮座するフィリピン海プレートの存在と活動をぜひ想像してみてください。
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なぜこの場所が沈降し、現在、ラグーンになっているのか。
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その原因を少し地球レベルで、また、数千年、数万年、数十万年という大きな単位で考えるみるのもたまにはよいと思います。
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浮島ヶ原自然公園、とても訪問しやすい場所にありますから、静岡の方は、ぜひ一度訪れてみてください。
令和2年10月 弁護士・防災士 永野 海