津波で移動した巨石(田野畑村)
岩手県田野畑村の羅賀(らが)の集落です。
東日本大震災の津波到達看板がありますが、この集落には明治三陸津波(1896年)で集落まで打ち上げられた津波石があります。
手前と奥に2つの巨石が並んでいます。
しかし、残念ながらこの陸側の巨石については、最近の研究で津波石ではないことが判明しました。
他方こちらの海側の巨石については、石の中の化石を調査した結果、羅賀の湾口北側の地層と一致することがわかり、500mの距離を津波で移動してきたことが判明しました。
田野畑村では、東日本大震災でも流された津波石がみられます。
プライベートビーチの趣のあるハイペ海岸です。
頁岩らしき地層にきれいにハマユリが咲いていました。
ここが津波石がみられる浜辺。
まわりと異なる地質の巨石がありますね。
左の頁岩層とは明らかに異なるパイの実のような巨石が乗り上げています。
100トンはあろうかという巨石です。
反対側から。
サイズ感。
これと同じような宮古層郡の地層からの転石と思われるものが海岸にはみられました。
これが海岸でみられる宮古層郡の地層です。
しかしあの巨石については、上部からの転石でないことは周囲の地層との違いでわかります。
東日本大震災時の津波が少なくとも数十メートル陸側に運んだ津波石です。
津波の威力の大きさを感じられる場所です。
田野畑村を訪れた際には、ぜひハイペ海岸を訪れてみてください。
2019年7月
弁護士 永野 海