素晴らしいジオ景観が連続する青森県深浦町の海岸沿いを南に越えると、そこは秋田県八峰町です。

ここは八峰町八森の椿海岸。

 

 

この日は低気圧が通過する荒天。

やむ無くあの荒波が打ち付ける先端まで行ったのですが。

・・安全第一でジオは観察しましょう。。。

 

 

無数の柱が天に向かって伸びています。

もちろん巨大えのき茸ではありません。

 

 

そうです、見事な柱状節理。

高温のマグマや、マグマが地表に出た姿である溶岩が、徐々に冷えて固まる際に、条件が整うと、岩体が収縮して節理ができ、こうした六角形(もしくはそれに近い)柱状の形状になります。

 

見事な柱状節理のうねりです。

マグマの温度は800~1200℃程度(玄武岩質の溶岩は高温です)。

それが100~200℃ほど低下するとまず固まり岩石になります。

さらにその後常温まで冷えていく過程で、体積が収縮し、切れ目(節理)ができるのです。

これが柱状節理のでき方。

 

 

ここの岩石は、玄武岩ではなく安山岩ですが、かなりきれいな六角形もできていますね。

徐々に冷えてこの形状になりました。

 

どんな現代アートも、地球の営みが生み出すオブジェにはかないません。

様々な角度にうねっています。

マグマや溶岩は冷えるときに、中心部は垂直な柱状節理となり、周辺部は横倒しの柱状節理となり、全体として放射状の柱状節理が生まれることがあるそうです。

 

美しい柱状節理の断面です。

これは、素波里(すばり)安山岩といって、1000万年前~400万年前の、日本列島が形成される時期の、非常に日本海の地殻変動が激しかった時代の火山岩です。

 

きれいなR(アール)が連続しています。

この時代は、海底火山が噴火しまくっていましたが(その時の火山灰が海底に堆積しできた凝灰岩が青森や秋田の日本海岸を広く覆っています)、その時代に、マグマが地中に貫入し岩脈となったのがこの柱状節理の岩体だと思われます。

岩体は、長さ約94m、横幅約16mあるとのこと。

 

日本列島がほぼ現在の位置になって以来、東北地方は、東から太平洋プレートに押され続け、東西の圧縮圧力を受けています。

 

 

その結果、東北には、南北方向の山地、山脈がいくつも生まれました。

北上山地、奥羽山脈、、、、

 

この地の背後にある白神山地も、いまでも、毎年1mm以上隆起を続けています。

 

 

安山岩が含んだ鉄分が酸化して赤っぽくなっています。

白神山地が隆起するように、東北日本の地盤全体が隆起してきましたので、この地中にあった安山岩の岩脈も、こうして地表にまで姿を現したものと思われます。

(もちろんこの地で頻発するM7規模の地震で隆起した、という可能性もあるのかもしれませんが、個人的には、もっと長期的な全体の隆起によるものではないかと思いました)

 

 

餌を求めて水面に登ってきた無数の鯉や鮒のようです。

 

 

陸側を振り返ります。

番屋も見えます。

 

この日の日本海はしかし荒れていました。

 

青森、秋田と日本海沿いの海岸沿いをずっと南下してくると、いまの日本列島がアジア大陸から切り離されて、日本海が誕生し、拡大していた当時、どれだけの激しい火山活動や地殻の変動があったのか、まざまざと見せつけられるようでした。

これは静岡で太平洋だけをみていたのでは気づかないことで、新鮮な驚きでした。

 

平成30年10月

弁護士 永野 海