地学ノススメ「日本列島のいま」を知るために

鎌田浩毅/ブルーバックス

有名な鎌田先生の著作です。京都大学の地球科学の教授です。

随所で、「鎌田先生」がでてくるところがこの本を柔らかくしているところだと思いますが、著者の顔が見えすぎるのが苦手な人にはそのように映るかも知れません。

前書きでも書かれているとおり、「地学の素人の方々にもわかるように平易に、かつ身近な話題を用いて「地学の全体像」が理解できるように」執筆されているのが本書です。

やはりプレートテクトニクスの紹介がメインになっていますが、地学のこれまでの歴史についても触れられているほか、前述のとおり、素人でも楽しめる身近な話題についても解説されているので、寝そべりながら楽しく知識を得られる良書だと思います。お勧めです。

章立ては以下のようになっています。

第1章 地球は丸かった(人類がそのことに気づくまで)

第2章 地球の歴史を編む(地層と化石という「古文書」)▷時代を特定する示準化石の話や、露頭の観察の話が書かれています

第3章 過去は未来を語るか(斉一説と激変説)▷ノアの洪水の話から、放射年代による年代特定の話まで

第4章 そして革命は怒った(動いていた大陸)▷ウェゲナーの大陸移動説の話からプレートテクトニクスの誕生まで。このあたりからはプレートテクトニクスの話が続きます。

第5章 マグマのサイエンス(地球は柔らかい)▷プレートテクトニクスとの関係で火山やマグマについて教えてくれます。

第6章 もうひとつの革命(対流していたマントル)▷これもプレートテクトニクスとの関係でマントルや核(コア)の対流の仕組みを解説し、これが地球の磁場を作り出していることを教えてくれます。

第7章 大量絶滅のメカニズム(地球が生物に襲いかかるとき)▷プレートがマントルの下に沈み込むことで生じるコールドプルームによる地球磁場の乱れ、ゼロ磁場の話、これによる磁気バリア低下による宇宙線の侵入による生物の危機の話。他方、ホットプルームによる超巨大噴火による生物の危機の話、洪水玄武岩の話などです。

第8章 日本列島の地学「西日本大震災は必ず来る」▷プレートと地震の話を日本列島に当てはめた解説です。熊本地震についても解説されています。

第9章 巨大噴火のリスク(脅威は地震だけではない)▷朝鮮半島の白頭山、ピナトゥボ火山の噴火、日本列島の噴火について。

鎌田先生の楽しい口調で、多方面の解説がなされていて、地学や地球科学を身近に、また楽しい知識だと感じさせてくれる貴重な著作だと思います。

ぜひ気軽に手にとっていただければと思います。

平成29年11月 読了

静岡市清水区 弁護士永野海