立山のカール地形(富山県)
2008年10月、富山の人権大会にお邪魔したときの写真を用いて。
室堂です。
この地点で標高は2450mあります。
当時、幼子を背負って室堂の坂を登ったものでした。
有名なミクリガ池。
立山は、現在も噴気孔のある立派な活火山です。
この池はかつての火口。
深さは約15m、雪解け水や雨水が火口に流れ込んだ火口湖です。
立山が現在も活動する火山であることを教えてくれる地獄谷。
噴気とともに硫黄の匂いが立ち込めます。
湖面(池面)の青さは吸い込まれそうなほどでした。
立山連峰は、1858年に飛越地震(M7程度)を発生させた跡津川断層による破砕帯や、長年の火山活動で脆弱になった岩石による侵食が著しい地形です。
立山カルデラと呼ばれます(カルデラ噴火とは関係ありません)。
紅葉と美しいコントラストをみせる白い山肌は、雪ではなく、花崗岩の白です。
地下深くにあったはずの深成岩たる花崗岩が、100万年以上の時間をかけて隆起してきたことがわかります。
写真中央やや右上にみえる窪地は、カール地形。
山崎カールと呼ばれますが、幅400m、長さ600mにわたり氷河によりスプーンでえぐったように削り取られた地形です。
拡大してみましょう。
氷河が成長するとともに周囲の岩石を削っていく過程で、このような特徴的な地形が生まれます。
もちろん氷河がわかるうちは地形の存在は隠されるわけですが、氷河がその後温暖化により後退してその姿を現すのです。
地球の最新の氷河時代は、10万年ほど前から、気温の上下を多少繰り返したのち、2万年ほど前にもっとも寒い時代を迎えました。
写真奥に噴気がみられます。
もちろん温泉もでます。
標高2410mの日本でもっとも高い場所にある天然温泉です。
立山は、地学に魅了された今、ぜひ再訪したい場所です。
2008年10月訪問
弁護士 永野 海