大分県弁護士会で「水害と安全配慮義務」の研修講師
今週は、大分県弁護士会からご要請いただき、「水害と安全配慮義務」のテーマで研修講師を務めさせていただきました。
大分県で水害といえば、多くの方は、九州北部豪雨を思い出されると思います。
しかし、↑この写真、大分駅から大分県弁護士会館に向かう途中の建物に掲示された「南海トラフの津波浸水予測看板」です。
静岡でもこういうのは見た事がないです。
タクシーの運転手さんも、「古い古文書がでてきて、佐伯市で35mの津波がかつてきたことがわかっている。このあたりもあのビルを超えるような津波がくる危険がある」とお話されていて、大分市でも南海トラフが十分意識されているのだと、感銘を受けました。
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今回は、水害と安全配慮義務がテーマでしたが、ここでの「水害」には、土砂災害、豪雨災害、洪水だけでなく、もちろん津波災害も含まれます。
実際、東日本大震災における多数の裁判例は、
1.ハザードマップとの使い方にしても
2.事前防災にしても
3.災害後の情報収集や避難についても
4.避難訓練についても
多くの示唆と基準を与えてくれています。
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そのため、日頃私が行う、津波防災の講演と同じように、(ただし弁護士が対象なので詳しい裁判例の解説を重視しながら)
1.大川小学校の地裁、高裁
2、日和幼稚園の地裁、高裁
3、七十七銀行女川支店の地裁、高裁、最高裁
その他も野蒜小学校の事例、常磐山元自動車学校の事例、釜石津波訴訟の事例など、ご遺族のお話や語り部の活動も含めてお話させていただきました。
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その他テーマに即するような事例をいくつか解説させていただきました。
一部を以下に貼り付けるとこのような感じです。
講義終了後には懇親会をご準備いただき、大分の新鮮な海の幸をご馳走になりました。
懇親会でも研修に関連したたくさんのお話やご意見をいただき、非常にありがたかったです。
大分県弁護士会の皆様、ありがとうございました。
平成31年1月
弁護士 永野 海