白倉峡「手前」の結晶片岩 ぶらり防災の旅
浜松市天竜区龍山町にある白倉峡は,紅葉スポットとしても有名ですが,地学的には,なんといっても中央構造線の外帯の三波川変成帯の岩石を観察できる場所として有名です。
しかし,個人的には,三波川変成帯の結晶片岩をより素晴らしく観察でき,石ころ拾いも堪能できる白倉峡の「すこし手前」の場所がお勧めです。
場所としては,白倉川と秋葉街道が交差する場所。
(見えにくいですが),白倉峡まで7kmの道路看板が設置されています。
秋葉街道にかかる橋の近くから河原に降りることができます。
白倉川の源流から近いのでとても水がきれいです。
河原には大きな結晶片岩がお出迎え(手前の石の大きさと比べてください)。
緑色片岩でしょうか。
写真より実物はもっと緑です。
きれいな緑色片岩です。
緑色片岩の上に拾った石ころを集めてみました。
10分程度でたくさんの色の結晶片岩を集めることができます。
真ん中やや上にきれいなローズ色の結晶片岩が。
紅れん片岩か,あるいはほかの結晶片岩に紅れん石(こうれんせき)がたくさん含まれてこの色になっているのか。
この色の結晶片岩は河原でははじめてみました。
きれいですね。
河原にはアヤメ科の多年草のシャガが見事に咲き誇っていました。
結晶片岩の巨石。
白倉川の上流ゆえの巨石群ですね。
巨石が多すぎてサイズ感がわかりにくいですが,後方のガードレールと比べてください。
河原は緑色片岩だらけ。
薄緑の河原です。
下流側も緑色片岩の巨石。
快晴と結晶片岩と清流。
斜長石がさくらの花びらのように美しく入った濡れた緑色片岩と石英閃緑岩?
和菓子のようです。
きれいに片理面に沿って?割れた巨石。
橋の上流側にも河原に降りれる場所がありました。
三波川変成帯の岩石をみられる場所は,日本でもごく一部しかありません。
浜松市天竜区はとても貴重な場所なのです。
三波川変成帯の結晶片岩を観察することで,大断層帯の中央構造線を感じ,また海洋プレートが大陸のプレートに潜り込む場所に思いを馳せることもできます。
災害をもたらす地球のダイナミズムを感じ,自然との共生について感じる機会にしてもらえれば最高です。
平成30年4月
静岡市清水区 弁護士 永野 海