岐阜県七宗町には,日本最古の石博物館という変わった博物館があります。

 

有名な観光地・飛水峡(ひすいきょう)のすぐ近くなのですが,この雄大な渓谷をなす飛騨川の河床から20億年前の片麻岩が発見されたことで作られました。

 

20億年前というのは日本で発見された岩石では最古です。

 

発見場所はこのあたり(流れているのは飛騨川)。

このあたりの上麻生礫岩という1.6億年ほど前の礫岩のなかに含まれる片麻岩礫が,鑑定の結果,20億年前の岩石とわかりました。

 

博物館内には,地球や岩石を学べる上映施設があったり,

 

 

さまざまな岩石の展示も極めてグレードが高いもので全く侮れません(後に紹介)。

 

館内のエレベーターも2Fから1Fに移動する間に20億年のタイムスリップをする仕掛けで,大人でも,「おお,すごい!」と思ってしまうほどのお金をかけた演出がなされています。

 

これがその石。礫岩ですね。

 

この部分が20億年前の片麻岩。

片麻岩といのは,砂岩や泥岩が結晶片岩よりもさらに高い圧力を受けてできた広域(cf.接触)変成岩です。(石ころ博士入門より)

地下深くで変性されるということですね。

 

割って表面を研磨するとこんな感じ。

 

飛水峡などはどこまでもチャート層ですので,この礫岩にもチャートも含まれています。

 

35億年前の枕状溶岩。

あなどれない博物館です・・・。

 

枕状溶岩とそれが壊れたピロープレッチャの混在した石。

 

地球最古の岩石・・・。

39.6億年前。

 

地球最古の鉱物を含む礫岩。

43億年前・・・・。

地球ができてまだ間もないころです。

 

地球最古の礫岩。

38億年前。

 

これらはごく一部で,非常にたくさんの岩石や鉱物が展示されています。

すこし個人的に面白いところでは,

 

地球の核(コア)を構成するのとほぼ同じ鉄隕石。

はじめてみました。

 

マントルを構成する橄欖(かんらん)岩。

このなかに多く含まれる橄欖石のうちきれいなものは,ペリドットと呼ばれます。

きれいな緑色です。

 

100円で化石採集ゲームもできます。

 

この日本最古の石については,ありがたいことに,博物館の飛騨川対岸の発見場所を誰でも訪問できるようにされています。

 

階段で降りる道が整備されているんです。

 

私が調べられた限りでは,飛水峡やこのあたりで,飛騨川の水面まで下りられる場所はここしかわかりませんでした。

貴重です。

 

水の色が美しいグリーンです。

 

このあたりが20億年前の片麻岩の発見場所です。

上麻生礫岩。

 

こんな感じの岩石です。

 

この飛騨川沿いを含む美濃帯は,北側の飛騨外縁帯と南側の領家帯との間に分布する構造帯です。

この写真などは,ジュラ紀の層状チャートと,すぐ横には砂岩の塊がみられ,さらには上麻生礫岩と,海洋性と陸源性の岩石が複合体(コンプレックス)として存在しており,いかにも付加体の地形を感じます。

 

これは上麻生礫岩。

 

大きな砂岩。

 

ジュラ紀付加体と,20億年前の時代を同時に感じられる大変貴重な場所ですが,狭い渓谷で,増水時には谷をほとんど埋めるほどの水量があります。

この写真部分なども当然川の底に沈みます。

くれぐれもご注意の上訪問してください。

 

平成30年3月訪問

静岡市清水区 弁護士 永野 海