竜爪山の糸静線露頭(小) 訪問記
現在、静岡県内で(容易に)観察できる糸魚川静岡構造線の露頭というと、この竜爪山のここ、になります。
糸魚川静岡構造線については、新倉露頭(早川町)の訪問記をご覧ください。
地図で場所を表現するのが困難なのですが、清水区の西里温泉から竜爪山に車で登っていく途中、右側に上記看板がみえる場所があります。
露頭はこの看板のすぐ左側です。
(露頭の解説をされる塩坂先生)
(体をはって露頭の解説をされる塩坂先生)
これは露頭の左側、アルカリ玄武岩の地層です。
写真上の看板の左上方向に、木の根で一部えぐれた部分があります。
ここが露頭(地質の境界)部分です。
わかりますか?
こんな感じでしょうか。
線の左側は1500万年前のアルカリ玄武岩の地層。火山が噴火して溶岩が冷えて固まった岩石です。
硬いです。
そしてこの地層はユーラシアプレートの境界でもありますから、そのまま糸魚川市まで続く地層です。
線の右側は、500万年前の静岡層群の地層、泥岩層です。
もう一度みてみましょう。
土砂が上に堆積しているのでわかりにくいのが難点ですね。
もう少しひいてみた写真。
左が玄武岩、右が泥岩層。
玄武岩層が静岡層群の上に乗り上げています。
こんな風に近づいてよくみてみましょう。
地質の境界というのものは楽しいものです。
境界を指で示します。
降りる時に助けてもらっています。
糸魚川静岡構造線が走る竜爪山はすごい山です。
鏡肌(かがみはだ)の露頭も、途中ふつうにありました。
鏡肌は、断層面がこすれたことによってツルツルになった岩石の表面です。
実際、ツルツルぴかぴかの鏡面です。
しかし、糸魚川静岡構造線の静岡市内の露頭とはいえば、次回ご紹介する露頭を抜きには語れません。
平成30年2月訪問
静岡市清水区 弁護士 永野 海