災害協定の打ち合わせに御前崎市役所を訪問した際,少し日没まで時間があったので御前崎海岸に寄ってみました。

 

(御前崎灯台と典型的な海岸段丘地形)

先日訪れた高知県室戸岬と非常によく似た地形です。

海岸段丘は,海水面が上がったり下がったりして海が崖を浸食(海食)する作用と,土地の隆起との組み合わせによって,こうした段々の地形が生まれます。

 

こうした地形は,海溝型地震を繰り返す地域によくみられる地形だと思います。

室戸岬も御前崎海岸もいずれも繰り返し繰り返し南海トラフ地震による影響を受けてきました。

地震のたびに土地の隆起を繰り返してきた地形です。

室戸岬などは,直近の南海トラフ地震により隆起した土地の部分を鮮明に観察することができます。

 

 

これは室戸岬のスカイラインの展望台から北西方向を撮影した写真ですが,小さいですが,赤矢印の先の先端の土地が,1946年の南海地震で隆起した部分です。

こうした隆起が,室戸岬も御前崎も長い長い期間,ずっと続いているわけです。

 

 

御前崎に戻ると,これが御前崎海岸の相良層群の波食棚。

宮崎県の鬼の洗濯板(洗濯岩)などと同じで,海により侵食されできた海食崖(がい)の前面にみられる波食地形です。

 

特に,ここでは相良層群の砂岩と泥岩の互層(厳密には砂岩とシルト層の互層という記述もありました)の波食棚が観察できます。

地層というのは一朝一夕にはできません。

 

 

海底地すべりなどにより海中で砂の層と泥の層が分離して1つの砂岩泥岩の層ができます。

 

 

その後また気の遠くなるような時間のあとに再度その上に砂岩層と泥岩層が重なります。

こうした積み重ねで何層、何十層という砂岩泥岩の互層が作られているのです。

 

 

干潮(特に大潮)のときによく観察できるので,時間をあわせて訪問するとよいと思います。

砂岩と泥岩が互層になっているので,(通常は浸食に弱い泥の部分が浸食され凹んで),こうして洗濯板のように段々の地形が作られるのです。

 

波食棚の地形は、海底にあった地層が隆起によって海面より上に上がっていることが多いので、ここも南海トラフ地震による隆起によって海面に上がってきているものかも知れません。

 

 

ここの砂岩と泥岩の地層ができた時期は、1000万年前から200万年前あたりとのことですので、日本列島が大陸からほぼ現在の場所に移動してきたあとに海底で堆積した地層ということになります。

 

こちらが本場?宮崎で撮影した鬼の洗濯板(洗濯岩)です。

 

これだけのものだときれいに洗濯ができそうですね。

近くで,より詳しく互層の状況を観察するとなお楽しめますよ。

 

平成29年11月訪問(御前崎)

静岡市清水区 弁護士 永野 海