岐阜県本巣市根尾地域を流れる根尾川と根尾川が作る根尾谷です。

1891年(明治24年)10月28日早朝に発生した濃尾地震(M8.0)を起こした根尾谷断層に沿って侵食された谷筋です。

ものすごいスケールのきれいなV字の谷です。

 

ここ根尾地区には根尾谷断層の観察館が存在します。

 

濃尾地震は,日本での観測史上最大の直下型地震です。

 

教科書などでご覧になった方も多いかも知れません。

濃尾地震により一瞬で隆起した6mもの断層崖をいまでも観察することができます。

写真中央を左右に貫く崖が隆起跡です。

 

 

かなりの長さなのでパノラマ写真でご覧ください。

世界中から地震学者が訪れる場所です。

 

断層崖はこのように写真右側にもずっと続いています。

しかしこれは根尾谷断層の本体ではなく,分岐断層に過ぎません。

 

6mの崖はさらに続いて建物の中まで・・・

というより,断層の直上にあえて観察館を建築しました。

 

この観察館では大規模なトレンチによる隆起した6mの断層の露頭を観察することができます。

写真では伝わらないかもしれませんが,ものすごい大きさ,スケールです。

 

一度に6mの隆起というのは地震による隆起としてはけた違いのものです。

 

地震によって新しい時代の礫層がぎゅっと持ち上がって,古い泥岩や玄武岩の層が現れています。

 

こちらは反対側の南東側断面。

 

やはり古い時代の泥岩が一気に持ち上がっています。

 

斜めから撮影。

 

別の角度で6mの断層崖を。

 

 

観察館前の道路部分は切り取られています。

 

観察館ではたくさんの展示もなされており,

 

かなりの資金を投じた地震体験館もあります。

 

シートベルト着用のアトラクションです。

結構揺れます。

小学生が喜びそうなミステリー仕立ての15分ドラマで濃尾地震を3Dメガネつきで身体で体験できます。

 

 

 

動く断層模型。

断層崖による段丘の状態から,4000年から6000年に一度の周期で断層が動いているものと推定されています。

 

断層の聖地ともいうべき根尾谷。

 

ここ根尾地区では数多くの場所で地震の痕跡を確認できます。

 

その1つが根尾中の横ずれ痕跡(お茶の垣根が左横ずれしています)。

根尾谷断層の本体は横ずれです。

 

看板にもあるように,ここでの横ずれ量は最大9.2mもあります。

断層上に家屋があったらとんでもないことになりますね。

 

横ずれ,横ずれ。

 

道路も横ずれ。

 

ちょうどこの時期は,樹齢1500年の大変有名な根尾の薄墨桜が満開の時期でした。

 

日本5大桜の1つです。

 

エドヒガンザクラです。

この桜は散り際に淡い墨色になることからこの名前がつけられています。

 

継体天皇にまつわる伝説,伝承も有名です。

 

ほとんどの観光客が根尾谷断層は素通りしてこの薄墨桜に渋滞の列を作っていたのは気になりましたが。。。

 

ちなみにここにはうすずみ温泉というすばらしい温泉も湧いています。

 

(写真は日帰り温泉ではなく宿泊施設内の浴場)

内陸にもかかわらずぬるぬるだけでなくかなりの塩分です。

源泉の温度が低いところが気になりますが,海水由来であることは間違いないようです。

個人的には,大断層帯ですし,フィリピン海プレートが沈み込んでいますから,大鹿村の鹿塩温泉のように海洋プレートが運んできた太古の海水による塩分ではないかと想像したくなります。

 

根尾谷。

日本最大の内陸地震の痕跡を目の当たりにして,ぜひ今一度防災について考える機会にしてみてください。

 

温泉,薄墨桜だけでなく,自然自体が大変すばらしい場所です。

根尾谷の特産,菊花石もみることができますよ。

 

平成30年3月

静岡市清水区 弁護士 永野 海