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三河地震による地割れ跡 訪問記

前回,三河地震により動いた深溝(ふこうず)断層(愛知県幸田町)をご紹介しました。

そこからわずかな移動時間で,もう1つ,大切な三河地震の災害痕跡をたどれます。

それが蒲郡市宗徳寺に残る地割れ跡です。

 

宗徳寺は,地図のとおり,深溝断層の直上にあります。

そのため,三河地震により深溝断層が動いた際,今回ご紹介する地割れが生じたものです。

説明によれば,ここでの地割れは深溝断層そのものとのことでした(個人的には,目にした資料の不足でこの地割れが断層そのものなのか断層付近の地面の動きなのかは判断ができませんでした)。

 

地割れ跡まで見学路がきれいに整備されており,大変ありがたいです。

 

 

これが地割れです。写真奥もさらに地割れは下り斜面で続いています。

市の天然記念物に指定された当初は40m程度も続いていたようです。

 

地割れ付近からみた三河湾。

深溝断層は三河湾内まで続いている断層です。

活動周期は数万年単位のようですが,部分的には4000年前に動いた痕跡もあるとされています。

 

地割れを横からみたもの。

 

右下の図の青い部分が保存されている地割れ跡です。

右上には,当時の宗徳寺の被災写真も残っています。

 

北側から撮影したもの。

 

北側に斜面を下りながら続く地割れ。

 

この整備された階段を上っていくと地割れ跡です。

この宗徳寺の地割れ跡は,内陸の断層の動きをそのまま残すものとして極めて貴重な災害痕跡です。

三河地震ではこの深溝断層と横須賀断層が動いたことにより,実際のマグニチュードの規模(7前後)に比べて,かなりの被害が発生しました。

ぜひ三河湾を訪れた際にはあわせて見学して,いま一度防災を考える機会にしてみてください。

 

平成30年3月11日訪問

静岡市清水区 弁護士 永野 海

 

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