気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館
東日本大震災前、気仙沼には約7万5000人の人が暮らしていました。
その気仙沼の町にあの日最大の浸水深約21メートル(本吉町)の大津波が押し寄せ、その後大規模な火災まで発生し、犠牲者の数は、死者1,152人(震災関連死を含む。)、行方不明者214人に達しました。
その後の調査で、大規模な火災の原因は、港のタンク22基が津波に流され、200リットル入りのドラム缶5万7600本分の油が流出したことによると発表されています。
2019年3月10日に、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館がオープンしました。
これはあの日の津波痕跡を激しく残す当時の気仙沼向洋高校の校舎を震災遺構として保存した上で、新たに当時の映像などをみることができる伝承館を併設したものです。
来館者は、まずあの日気仙沼で何が起きたのか当時の映像で学びます。
その後、気仙沼向洋高校の旧校舎の中を見学し、校舎3階にある教室に流れ着いた自動車、校舎4階に達した津波の痕跡、冷凍工場が津波で流され校舎外壁に衝突した痕跡など、生々しい姿をみることになります。
最後に再び映像が用意されています。
今度は、あの日を生き、あの日からを生きる人の姿から学びます。
東北被災地には数多くの震災遺構や伝承施設がありますが、この気仙沼の伝承館はその中でも特に重要な場所といえ、未災地の皆さんにはぜひ一度訪れてみてもらいたい場所です。
私は、映像が持つ力を強く感じました。その映像と実際の震災痕跡をあわせて感じることで、大きな学びにつなげることができるのではないかと思います。