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海底火山の地層・枯野公園(西伊豆町)

西伊豆町の枯野(かるの)公園でみられる海底火山時代の地層。

西伊豆のジオを象徴する場所の1つかと思います。

正面の兜岩。最上部のぶつぶつと石が交ざった地層は、海底火山活動に伴う水底での土石流により作られた地層。

その下は、白色系火山灰の地層、つまり凝灰岩の地層です。軽石が多く含まれているのでしょうか。

その時々に噴出され、堆積した岩石や火山灰の種類が違うので、縞々模様になっています。

まず地層がクロスしているのがわかります。

これは、海底に火山灰の地層が堆積する際に、強い水流の影響を受けたものです。いわば、海流、水流の化石ですね。

また、中ほどより少し上では、白い火山灰の地層が凹凸の模様を作っています。これは、海底でこの白い火山灰の地層が固まりきる前の状態で、上から重さのある堆積物がのってきたために、堆積層に凹凸ができ、その後、そのままの状態で固まって岩になったものです。

兜岩の右側に注目すると、火山灰の地層に白い模様がみえますね。

こちらも理屈はさきほどと同じです。名称でいうと、火炎構造といって、白い火山灰の地層の上に重たい堆積物が載ってきたために、一部が重みで沈み込んで、こんな火炎のような造形が作られたものです。

三浦半島の城ヶ島などでも美しい火炎構造の地層がみられます。

ここでは、上記のような、水冷破砕岩も目にすることができます。

水冷破砕岩というのは、熱い状態の溶岩などが海水などに触れて急激に冷やされ細かく割れたものです。

真っ黒な石がたくさん火山灰の地層の中に取り込まれていますが、これが水中で冷やされ破裂、破砕した溶岩です。

こうした破砕がされるような状況では、尖ったガラス質の角礫を生じることがありますが、実際この地では、たくさんの黒曜石の原石も発見されたようです。

訪れたときはちょうど夕焼け時。

美しい夕日で有名な西伊豆町を訪れる際は、ぜひこの海底火山の痕跡も同時にご覧になってください。

令和元年12月

弁護士・防災士 永野 海

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