焼津市の浜当目海岸です。

奥に見える山は虚空蔵山。

 

焼津は津波防災がとくに重要な地域です。

私が知る限り,県内でも焼津市はかなり津波防災の意識が高く,さまざまな実践的取組みがなされている場所です。

 

浜当目の海岸に下りてみましょう。

 

いきなり奇石のお出迎え。

 

 

虚空蔵山はアルカリ玄武岩でできた山です。

実は日本の太平洋岸ではアルカリ玄武岩というのはかなり珍しい地質です。

この山が海底火山である証拠です。

 

 

玄武岩質の海底火山なので,こうして枕状溶岩がいとも当たり前のような顔をして鎮座しています。

枕状溶岩については,丹沢のぶらり防災の旅をご覧ください。

 

 

ちょうど日本列島がいまの場所まで移動してくるかこないかの頃,1600万年前ころの海底火山の噴火の痕跡です。

 

たくさんの溶岩の枕がいまにも話しかけてきそうです

 

この枕状溶岩などは,急冷されたときの放射状の割れ目がはっきりわかりますね。

 

静岡でもっとも容易に,またもっともたくさんの枕状溶岩を観察できる場所ではないでしょうか。

焼津市のシンボルである高草山もアルカリ玄武岩の山です。

枕状溶岩は基本的に二酸化ケイ素の含有率が低く粘性の低いさらさらとした玄武岩質の溶岩が,海底で急冷されたときにできる形状です。

 

貫入のような痕跡もみられました。

 

以下,海食崖部分にもみられる枕状溶岩を探してみましょう。

 

 

崖の中の枕状溶岩は探せましたか?

 

このあたりのアルカリ玄武岩はいわゆる十枚山構造線と糸魚川静岡構造線に挟まれて南北に存在する竜爪層群の一部です(*十枚山構造線自体が糸静線とする考え方もあります)。

焼津市の多くの方も,シンボルの高草山やこの大崩海岸沿いの虚空蔵山が,海底火山だとはご存知ないでしょう。

自然災害を引き起こすこともある地球の活動痕跡というのは,実は身近なところにあるものです。

それぐらい地球というのはダイナミックなものだということです。

 

浜当目海岸で拾った石ころを並べてみました。

左上の赤いのはアルカリ玄武岩でしょうか。

 

遠くにみえる高草山。

これも海底火山。アルカリ玄武岩の山です。

 

このあたりは津波避難の意識と訓練がとても重要な地域です。

 

津波避難場所の看板です。

 

海岸の海抜は8mありますが,海岸北の住宅地の海抜はわずか2mなんです。

先日津波避難訓練を実施した広野海岸公園も同じような状況でした。

 

浜当目の防災センターです。

焼津市の指定避難所になっていますが,本当にどこに避難するのが安全なのかは地域でしっかりと議論し,考え,それに沿った訓練を行う必要があります。

 

津波避難タワーも整備されています。

 

議論あるようですが,常に開放されていることは私は必須だと考えています。

 

寄贈 静岡県土地家屋調査士会志太支部

とあります。

なんと津波避難タワーを寄贈されたんでしょうか???

(プレートの寄贈のようです)

 

ここが最上階,海抜15.5mの高さになります。

 

階段を広くとった設計なので屋上部分の収容スペースはそこまで大きくありませんでした。

 

東方面に向けて1枚。

 

この地域の方は最大津波高の到達までの本当に時間がありませんし,周辺に頑丈な高いビルなどもありませんので,地震後は迷わずこのタワーに向かうのが正解になると思われます。

 

要支援者を含め,全ての地区の方がここに速やかに避難できるか徹底した実地訓練をしていただきたいと思います。

平成30年3月,平成30年5月

静岡市清水区 弁護士 永野 海