熊本地震で落橋した阿蘇大橋(南阿蘇村)
熊本県南阿蘇村にかつて架かっていた旧阿蘇大橋の跡地です。
熊本は、2016年(平成28年)4月14日(前震)、4月16日(本震)と二度との最大震度7の直下型地震に襲われました。
熊本は、南海トラフから潜り込んでいるフィリピン海プレートにより北西方向に日々ぐいぐいと押されています。
熊本地震では、プレートに押さえ、この阿蘇大橋の直下を走る布田川断層が動きました。
これにより橋の橋脚を支える地盤が右岸で約2m、左岸で44cmずれ、これにより橋が崩落したと考えられています。
この地震では、ご覧のように、橋の対岸の山の斜面もも長さ700m、幅200mにわたり大規模崩落を起こしました。
この橋の崩落により、当時車で橋を通行していた大学生1名が犠牲になりました(発見は4か月後)。
大学生は前震で被災した友人に水を届けるとともに、農作業を手伝う約束をはたすために帰宅を急いでいたところでした。
阿蘇大橋は同じ場所での再建は断念し、600m下流に架け直すことになりました。
新しい橋では、地震で地盤がずれても落橋しない特殊な工法が採用されました。
2019年3月訪問
弁護士 永野 海