柱状節理の断面・旭滝(伊豆市)
伊豆市修善寺にある旭滝。
滝が東を向いているため、朝日に照らされる姿が美しくこの名がつけられました。
旭滝の水は、西にある達磨(だるま)山の湧水が流れ込んだものです。
達磨山は、100万年前から50万年前にかけて噴火を繰り返した火山で、直径4kmにも及ぶカルデラが残っています。
では、旭滝を見に行きましょう。
湧水由来なので水量は多くありませんが、全長105メートル、6段に分かれた姿は圧巻です。
6段に連なる旭滝。
よくみると、なんだか魚の鱗のような、または石垣のような不思議な形をしていますよね。
これは実は柱状節理の断面です。
滝の横からみると、突き出た柱状節理の断面がよくわかります。
この旭滝は、実は海底火山の火山の根からできているんです。
伊豆半島ジオパークの説明図がわかりやすいです。
火山の中のマグマが噴出せず山体の中で冷えて固まったものが、その後周囲の侵食によって現れたものが、火山の根です。
規模によってはそのまま1つの大きな山になってしまうほどです。
火山の根の一部が、いまの旭滝そのものなんです。
マグマが山体の中で冷えて固まったから、柱状節理ができているんですね。
なかなかの迫力。
伊豆市には、柱状節理が垂直になった浄蓮の滝もあれば、この旭滝のような柱状節理の断面を流れる滝もあり、非常に訪れる人の目を楽しませてくれます。
伊豆半島は、火山活動の痕跡が数えきれないほどあります。
一見の価値のある、非常に珍しく、また美しい滝でした。
修善寺温泉を訪れた際に、また浄蓮の滝とセットで、柱状節理の断面が織りなす6段の滝を堪能してみてください。
平成31年1月
弁護士 永野 海