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アポイ岳(2)ビジターセンター ぶらり防災の旅

アポイ岳ジオパークビジターセンターの展示をお借りしながら,アポイ岳がいかにすごいか勉強しましょう。

 

すばらしいジオパークビジターセンターです。

 

アポイ岳は北海道の中央を南北に縦断する日高山脈の南の端にあります。

 

太平洋のすぐ近く。

様似(さまに)郡様似町にあります。

標高は810mほど。

 

アポイ岳は,地中深くにあるマントル(橄欖岩)でできた山です。

 

マントルは,地球の表面の地殻と中心の核との間にあります。

地球の内部2900kmほどまでがマントルで構成され,実に地球の体積の8割以上がマントルです。

 

(地震調査研究推進本部資料より引用)

地球の内部の様子です。

ほとんどがマントル。

 

これが様似町あたりのマントル(かんらん岩)の分布範囲です。

アポイ岳だと2合目,3合目あたりからがかんらん岩でできているようです。

 

本来マントルは,薄い海の地殻(プレート)でも地下7kmより深いところにあり,大陸の地殻(プレート)だと数十kmより深いところにしかないものです。

 

仮にこのマントルのかんらん岩が火山活動やプレート運動に伴う隆起運動などで地上に姿を表すときも,水と反応して蛇紋岩に変身してしまうなどして元のかんらん岩のままで露出することはありません。

しかし北海道のこの地ではすごいことが起こりました。

 

北海道は昔は西と東で別々の大陸でした。

それが4000万年ほど前に西のユーラシアプレートと東の北米プレートが衝突し1つに合体しました。

日高山脈はその衝突地点です。

 

さらに1300万年前に2つの大陸のプレートは2度目の衝突をします。

その衝突があまりに激しかったために,北米プレートの地下にあったマントルまで地上にめくれあがってしまったのです。

日高山脈自体がプレートの正面衝突によってその応力で盛り上がってできた山ですが,特にアポイ岳の部分はマントルそのものでできているのです。

 

マントルでできたアポイ岳。

 

地学好きにしかわからないかもしれませんが,非常に魅惑的な断面図です。

 

海と陸のプレート境界まで日高にはあるんですね。

いつか行きたいです。

 

ちなみに,糸魚川静岡構造線も北側は,ユーラシアプレートと北米プレートの衝突境界です。

西南日本と東北日本の境界です。

 

2つのプレートの境界断層。

 

拡大しました。

いまは北米プレートは先ほどの糸魚川静岡構造線のところまで動いてきているというのがおそらく通説です。

このあたりのつながりをもっと勉強したいところです。

 

ユーラシアプレートとの間に海洋プレートがサンドイッチのハムみたいにはさみこまれているんですね。

 

 

 

8月の誕生石,緑色のペリドットは,かんらん岩を構成するかんらん石の結晶です。

地球のマントルは美しい緑色!

以下,実際のかんらん岩をみてみましょう。

 

ダナイトです。

かんらん岩のなかでも緑色のかんらん石が90%を占めるかんらん岩のエリート!

18金みたいなものでしょうか。

マントルのかんらん岩が溶け出していわゆる「マグマ」になります。

当初

「レルゾライト」

という種類のかんらん岩からはじまり,そこから単斜輝石とう造岩鉱物が溶け出すと

「ハルツバージャイト」

というかんらん岩になり,さらに温度が上がり斜方輝石まで溶け出すとかんらん石の純度が高いこの

「ダナイト」

に変身します。

 

これが先ほどでいう「中間」の

「ハルツバージャイト」

です。

こっちは緑よりゴールドキウィに近いですね。甘くておいしそう。

かんらん石を50%以上含む岩石のうち、斜方輝石に富むものです。

 

これが最初のかんらん岩の姿である

「レルゾライト」

です。

かんらん石を50%以上含むかんらん岩のうち,斜方輝石と単斜輝石の両方が入っているものです。

まだ輝石がどちらも溶け出していない状態なんですね。

このレルゾライトが高熱で溶けて玄武岩になります。

プレートの(現役の)先祖という感じ。

 

かんらん岩の薄片を覗ける顕微鏡があったので,カメラの接写モードで撮影してみました。

石ころ博士入門を参考にすると,黄色部分がかんらん石,緑や青が単斜輝石か。

あとは不明・・。

では,最後に世界のかんらん岩もみてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成30年5月

静岡市清水区 弁護士 永野 海

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